日銀、物価上昇率6度目の延期でデフレマインド増長?
日銀 物価上昇率2%目標を先送り
日銀は金融政策決定会合を開き、現状の金融緩和策を維持する一方で、物価上昇率の達成時期を先送りしました。
具体的には、2%の物価上昇率をこれまでかかげた2018年度ごろから、2019年度ごろへと先送りしました。
去年11月に続いて、6回めの延期となります。
経済物価上昇 展望リポート
経済の物価上昇を示した展望リポートでは、下記のように下方修正しました。
17年度 1.4% → 1.1%
18年度 1.7% → 1.5%
一方で、景気を表すGDP成長率見通しについては、上方修正しました。
17年度 1.6% → 1.8%
18年度 1.3% → 1.4%
株式市場では追加緩和はもう必要ない?
事前の見方では、出口戦略とETF購入に対する削減のような話もあるかもしれないということで構えていました。
しかし、日銀政策決定会合の結果を受けて、マーケットではどちらかというとそれらの心配がなくなったということでポジティブに反応しています。
具体的にこれといった理由ではないのですが、結果的にやや出口政策への懸念があったものが払拭された形となったと言えます。
今後の株価 見通し
上値を維持しながらの推移ですが、為替の動きがあまり良くないため、こういった状況では利食い売りが出やすくなります。
そういった動きに押されやすいことが背景にあると、どちらかというと動きがなくてタイトなレンジになる展開が考えられます。
6度目の延期がデフレマインドを増長?
黒田総裁は、「俗に言うデフレマインドかもしれない」と言われていました。
賃金、物価が上がりにくいことを前提にした慣行が企業に残っている、という発言にもあるとおりですね。
これは、労働需給の着実な引き締まりや高水準の企業収益に比べて、企業の賃金や価格設定が慎重であることが、物価の上昇を妨げる要因になっているという見方を示しています。
黒田総裁は会見で、2%程度に達する時期としては2019年度ごろになる可能性が高いと言っていました。
こうして先送りを繰り返していること、それ自体がマインドを悪化させてしまう原因になっているという事も否定できないと思いますが、いかがなものでしょうか。
デフレ脱却はしっかりと取り組んでもらいたいですが、なにぶん遅れてしまっていることが残念です。