
米ドル円は荒れた展開!日銀追加暖和後は102円の節目を割り込むか?
現在、為替相場はかなり荒れた展開をしています。
マーケットは、日銀の会合結果を待っている様子見ムードから、度々上下への乱交下を交えて予測のつかない動きを繰り返していました。
103円の節目あたりまで一気に急落した動きに関しては、誤発注なのではないかとの観測も出ていましたが、どうやら政策発表への不透明感がマーケットへの警戒として現れたかっこうとなったようです。
さらなる暖和が必要だとかヘリマネの話題など、さまざまな見解が飛び交う状況で市場からの期待や政府からの圧力がかかる中、これまでにない難しい局面を迎えているようにも見えました。
発表前には、マーケットには焦りの様子が見られ、さまざまな憶測が飛び交う中午前中のトピックス先物では一時売買の停止が起こるなど、これまでにない緊張感を醸しだしていました。
日銀マネタリーベース80兆円、ETFを6兆円へ増額
そして、ついに日銀政策の決定が出ました。
内容はマネタリーベース80兆円維持するということ。
また、ETFを6兆円へと増額するというものでした。
事前に憶測されていた、マイナス金利の拡大やヘリマネに関する内容ではなかったため、市場の期待に応じることができるほどのものではなかったようです。
104円台の中盤あたりで、日銀の発表が行われると、追加暖和をするという内容を受けて米ドル円は105円80銭あたりまで一瞬の内に駆け上がっていきました。
そのまま、上昇が継続するものかと思っていましたが、なんと急激に反落する動きを見せ、すぐさま102円台へと突入することとなりました。
その後は、また反発をして103円台後半まで回復をする場面もありましたが、その後はずるずると下落が止まらず下げています。
マーケット参加者は日銀追加暖和をどう受け止めた?
これらの動きを見る限り、そもそも事前予想の内容が間違っていてマーケット関係者は、これらの一部の推測信じていなかったからこういった値動きになっていると言えるかもしれません。
これらマーケットのメカニズムというのは本当に複雑で、なかなかすべてを把握して判断できるものではありません。
市場のコンセンサスというものも同様で、マーケット関係者の多くがこれまでの出来事を元に少し先の市場の反応を予測しているだけにすぎません。
そういった理由から、どうしても直近のできごとに左右される傾向が強く、今回も政策内容に関わらず失望からの円高といったイメージが市場には浸透していたということになります。
日銀マイナス金利を導入時の状況と比較して
これは、記憶に新しい今年の1月にあった日銀がマイナス金利を導入した時の状況に似ていることから、あの時のイメージが強烈に残っていたからではないでしょうか。
あの時、マーケット参加者はその後に起こる急激な円高に驚いたと共に、かなりの参加者が悩まされてきた記憶があります。
そういった記憶から、今回も同じような値動きになるのではないかという心理が強く働いていたと考える事ができます。
市場のコンセンサスというのは、期待が膨らんでマーケットへ浸透してしまうと、政策では応える事ができない、効果がなくなるといった傾向があります。
1月のマイナス金利を発表した時も、インパクトの大きなサプライズであったはずですが、市場の反応は一時的には円安に振れたものの最終的には円高に進みました。
これは、日銀の政策内容が市場の期待を満たすことができるか否かは、実際のところ問題ではないという見方が示された例でもあります。
決定された結果が一時的な反応として現れることには違いありませんが、方向性を決めるほどの力や効果が長く続かないということを表しています。
まとめ
今回の失望という結果を受け止めることで、今後のトレンドを冷静に推測していく必要があります。
現在のドル円では、99円から100円という間が強くサポートされる値幅帯として見られています。
政策の結果に関わらず、ここを割り込んでくることができなければ、円高は一服する可能性が高いと見られていて、さらに楽観的な見方としては、102円付近にある節目を割り込んでこない場合は、方向転換のきっかけになる可能性も検討しなければなりません。